【短編集】stars★
「頌子、何で泣いてるの?」
「な、泣いてなんか…」
「泣いてるよ」
あたしだって何で泣いてるかわかんないよ。
知らないうちに出てくるんだもん。
「いっちゃんのせいだ」
そう言うといっちゃんは困った顔をした。
いっちゃんはしゃがみこんで、指であたしの涙をふく。
触れられるたび、ビクッと体が反応してしまう。
「いっちゃん…」
自分の顔にあるいっちゃんの手をあたしは握る。
ポタポタと落ちる涙。
「う…ひっく…だいすきぃ…」
言っちゃった。
あたしは目をつぶって涙を落とす。
唇には暖かい感触。
ほんの少ししか触れなかったけど、ほんの少しの時間だったけど、