【短編集】stars★
雅人の優しさ。
会ったときと変わらない、あの笑顔。
それだけは変わらない。
あたしはそれが嬉しいと思う。
…あれから何時間たっただろう。
あたしはいつのまにか眠ってたみたい。
バタンと閉まるドアの音で目をさました。
「あら、起きたの?」
「うん…」
肩にかけられた小さな毛布。
「お母さんがかけてくれたの?」
「ううん、雅人よ」
…雅人か。
「聡子ちゃん帰ったの?」
「今帰ったわ」
「そう…」
帰ったんだ。
雅人はもう寝たのかな。
あたしはお風呂へ向かう。
「智美、今から入んの?」
ちょうど雅人が出てきた。
まだ寝てなかったんだ。
「うん。そうだよ」