【短編集】stars★
「…あっちにお菓子いっぱいあるの。一緒に食べよう?」
もじもじしながら震えて智美は言った。
「いいよ♪」
女なんてみんな一緒。
ちょっと笑ってやれば機嫌よくなるんだから単純。
自分でも小学生なのかと疑う。
「よいしょ…はい、雅人くん、お菓子」
棚から出てきたのは智美だけでは抱えられそうにない量のお菓子。
「わぁ…智美チャンの家にはいつもこんなにお菓子があるの?」
「ううん、雅人くんが来るからお母さんと買ったの」
俺のために?
「最初はね、弟ができるなんて思わなくて。正直結婚なんかどーでもよかったけど弟が出来るのは嬉しかったんだ」
智美はお菓子の袋をあけながら俺に笑いかける。