【短編集】stars★
その笑顔が今までに見てきたどの笑顔よりも綺麗で、
「欲を言えば妹のほうがよかったかな」
なんて冗談を言う智美。
子供っぽいと思った彼女の性格は実は大人っぽくて、
何事にも無関心。
だから、
俺は守ってやらなきゃと思ったんだ。
あの笑顔はすぐに壊れてしまいそうだから。
俺にいつでも笑いかけてくれるように、いつも智美を大事にした。
智美と喧嘩したことなんて一度もなかった。
変わらない愛を智美に捧げ続けた。
でもいつからだろう?
智美が焦ったような、不安な顔ばかりするようになったのは。
最近はほとんど笑わなくなった。
俺が笑いかけてもにこりともしない。