大好きだったあいつ
「……良い人だといいなぁ。」
呟いたあたしに、2人が優しく微笑んだ。
「良い人だといいね。」
唯さんがあたしの手を握り締めた。
きっと、良い人だ。
大丈夫だよね、今度こそは。
デートの当日、この前のふわふわのニットと真逆で、綺麗めな白のパンツで勝負をかけた。
待ち合わせの駅の中の、柱に寄りかかって改札口を見て待つ。
沢山の人の波の中を必死で彼を探すけれど見つからない。
…約束の時間過ぎたんだけど…
不安になって、携帯を取り出すと、同じタイミングで電話がかかって来た。
「はい!」
”あ、ほのかちゃん?
今まだ電車かな?”
「え、いや。
もう着いて待ってる!
望さんは今どこ?」
”えっ!?
俺ももう待ってるんだけど!”
え!?
キョロキョロと辺りを見渡すが、見当たらない。
「えっ、でもいませんよ?
場所間違えたとか?」
”いや、そんなわけは……あー!!居た!”
その瞬間、真後ろから声が聞こえて振り返る。