大好きだったあいつ
駆け引き
あれから、なんとなく顔を合わせるのが気まずくて、あのバーにも寄らず会っていない。
「連絡待ってるの?」
唯さんがニコニコしながらあたしを見ているのに気付いた。
ハッと気づくと、無意識に携帯を握り締めていた。
「違いますよ!
てゆうか、誰の連絡ですか!」
「あの、前に言ってた彼?」
痛い所を突かれた。
しまった、まだ話してなかったんだ…
「それが……あれからダメになりまして。」
「「え!?」」
こうちゃんも同じく反応をした。
「何でだよ!?」
「うっ…聞く?
他にグレーな女がいた。」
「うわー」
あちゃー、という顔で首を振る唯さんに、少し笑った。