大好きだったあいつ
「偶然浩一と今日コンビニで会ったんだよ。
そしたら招待されたってわけ。」
「…そう、なんだ…」
こうちゃんめ、何も言ってなかったじゃん。
あたしを見下ろして、何か不満か?と嫌な笑みを浮かべる彼に、別に!とエレベーターのボタンを勢い良く叩いた。
インターホンを鳴らすと、いつもの様に唯さんが笑顔で出てきた。
「いらっしゃい!」
「お邪魔しま「唯。」」
被せてきた彼に、思わず顔を見上げる。
唯さんも、聞いていなかったのか、名前を呼ばれた事に驚いたのか、大きな目が更に見開いた。
「…洋平くん。
久しぶりね。」
「随分な。
元気そうで良かった。」
「当たり前でしょ?
あなたも元気そうで良かった。」
この2人の声のトーンと表情が優しすぎて、こうちゃんの顔が頭をチラつかせる。