大好きだったあいつ
「おー、来たか。
早く入れ。」
浩一が顔を出して顎で部屋を指す。
「お邪魔しまーす♪」
楽しそうに入って行った洋平の後ろを唯さんと付いていく。
「へぇ、綺麗にしてんだな。
意外とちゃんとやってんだな。」
「どーゆー意味よ?」
唯さんが洋平の背中を叩く。
自然と目が行く浩一の顔は、少し笑っていた。
テーブルに並んだ料理を、へぇ〜と勝手に摘む。
「お前なぁ。」
ケリを入れられ楽しそうに笑う洋平さんが遠く感じた。
あたし、ここにいていいのかな?
ぼんやり離れてその様子を見ていたあたしに、唯さんが気付いてテーブルに座らせてくれた。
「唯の料理初めて食べたけど、なかなか旨いな。
浩一良かったな。」
冗談ぽく肩を組まれたこうちゃんが珍しく照れた顔をした。