大好きだったあいつ
「ノロけんなよ、気色わりぃ。」
洋平さんの言葉で2人も照れた様に笑った。
あたしだけ、笑えずにいた。
その後もあたしは洋平さんの表情が気になってしまって楽しめなかった。
洋平さんと2人で帰りは帰ることになった。
「ほのちゃん、また遊びに来てね。
洋平くんも。」
唯さんがお見送りをしてくれて、あたしはモヤモヤしたまま家を出た。
「幸せそうで羨ましいよね?」
「そーな。」
「…思う事が何かあるんじゃないの?」
あたしの言葉に、少しの沈黙の後に低い声で「は?」と返ってきた。
「………………。
ほら、結婚考えたりとか。」
思っている事と違う事で誤魔化す。
「あー。
別にない。」
「唯さんみたいな綺麗で優しい彼女欲しいなぁ、とか。」
「ねーよ。」
「こうちゃんが羨まし…「何が言いたい。」