大好きだったあいつ
「ほんとにそう言えるのか?」
にっと笑ってあたしを見下ろす洋平さんに、あたしは思い切り胸を殴る。
「嫌い…!そういうところ嫌い!
洋平さんの思ってる恋愛とあたしが今までしてきたお遊びの恋愛とどう違うの?
そんなんでまた付き合って、泣くの分かってるもん!」
「違うだろ?
お前は俺が好きなんだから。」
「洋平さんはあたしの事好きじゃない!」
涙ぐむあたしを見ながら、少し考えるように黙った。
「……どうなのか分からないから付き合おうと思った。
それじゃダメなのか。」
初めて見えた本音に、彼の事が垣間見える。
知りたいんだ、ほんとの恋愛。
「…やっぱり違ったなんて言ってきたら許さないから。」
「…それはお前がなんとかして惚れさせろよ。」
そう言ってあたしの髪を搔き上げながらキスをした。