大好きだったあいつ
車に乗り込むと、左手を広げて出してきた。
……ん?
手をマジマジと見たまま固まっていると、それに気づいた洋平さんが怪訝な顔をした。
「なんだよ、彼氏の車乗るの初めてか?」
「違う…けど、そーゆーのするんだって思って。」
別にするだろ普通に。と車を発車させながら言うので、恐る恐る手を重ねる。
恋人繋ぎでギュッとされただけで、胸がキュン、と鳴る。
あたし、やっぱり洋平さんには弱いんだなぁ…
気恥ずかしくて窓の外を見て誤魔化す。