大好きだったあいつ


「…お前明日夜空いてんの?
飯行くか?」


「空いてる。
うん…行こうかな。」

なんだか不思議な気分。
大好きで拒否された人で、大嫌いで会いたくなかった人が恋人になってる。


毎日でも会える関係になったんだなぁ…


「迎え行くわ。
仕事場まで。」


意外にもかまってくれる感じだという事に驚く。
てっきり放ったらかしにされるんだとばかり思っていた。


「ありがとう……」


家まで送ってもらいドアを開けようとすると、ほのか。と呼び止められる。

呼び捨てにされたの初めて!

「番号教えろよ。」

知らなかったのか。
今までこんなに会ってるのが全部偶然だなんて。


番号を教えて、それじゃあ。とドアを再び触った瞬間頭をポンと叩かれた。


「おやすみ。」

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