大好きだったあいつ


「お、おやすみ……」

動揺しながら車を降り、去っていくのを見送りながら高校生の時みたいに胸がドキドキ止まらなかった。


「あの人彼女には甘々じゃん…」

幸せな気持ちで家に帰った。


次の日も、機嫌が良かったのか周りにどうしたの?と聞かれたぐらい浮かれていて、定時にシュタタッと準備をしてビルを駆け下りると、見覚えのある車がすでに待っていた。


窓から覗くと、メガネをしてスケジュール帳を見ている洋平さんがいた。

ドアを開けると、あぁお疲れ。と袋からお茶を取り出して渡してくれた。

意外な行動の連続に、本当にこの人手慣れている。と思った。


「ありがとう。
早いね。終わるの?」

「今日打ち合わせあって外出てたんだよ。
直帰した。
どこ行く?」


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