大好きだったあいつ
妹、仕方なく
この言葉にあたしは下を向いた。
泣きそう……
絶対、泣いちゃダメだ。
「…あたし、とんこつで。」
メニューを見るふりをする。
「俺塩で!」
洋平さんの気持ちはよく分かった。
いや、分かってたつもりだった。
あたしなんて、ガキンチョぐらいにしか思われてないって。
だけど、どっかで可愛いなって思ってくれたらって……
デートしたって、密室にいたって、あたしじゃあ何も変えられないって思い知らされた。
きっと同世代の女の子だったなら、ラーメンなんて選ばないし、オーナーに彼女か間違われるはず。