大好きだったあいつ



その後の車の中でも、あたしの中で決定打を打たれてもう笑えなかった。


元気がないあたしに気付いて、体調が悪いのかと心配して家まで送ってくれた。


「大丈夫か?
腹でもくだした?
風邪でも引いたか?」


フルフルと首を振るだけのあたしに、洋平さんもお手上げな様で、家の前でよく寝ろよ。とだけ言って帰って行った。


彼にとって今日はデートなんかじゃなかったんだと、改めて思い知らされた。
自分の事好きなのかとも思ってない態度には、正直鈍感過ぎてビックリする。


これだけアピールしてダメなら、もう言うしか気付いてもらえない。
振られても、きっと良い思い出になる。


そう、思っていた…………


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