大好きだったあいつ
時計をチラリと見ると、五分過ぎていた。
忙しかったのかな……
「悪いっ…!」
靴の音と、ベンチが揺れたので彼が到着したと気付く。
振り返ると、ベンチに手をかけ、息を切らしたスーツ姿の洋平さんがいた。
素敵……
「あー、ちょっと遅れたなー。
待った?」
「全然!
むしろごめんなさい!」
「…で?何だった?話し。」
速攻来た話題に思わず固まる。
固い表情のあたしを?マークの顔で見つめる。
「………まさか…振られた?」
おい!!!!
「違うもん!
てゆうか、違うの!それ!」
「何が?」
そりゃ、何が?だよね。