大好きだったあいつ


「………へぇ、何それ?面白そう。
俺も混ぜてよ。」


「ふざけないで!
もうあなたには関わりたくないの。
離して。」


「教えてくれなきゃ離さない。」


こいつ………


「…あたしの友達の彼氏で…浮気したからこらしめるの。」


「こらしめる?
どうやって?」


「…そこまで言う必要ないでしょ?
お願いだから離して。
見られたら困るから。」


さすがにそれは同意したのか、離してくれた。


「その彼女とやらを連れて来ればいー話しなのに、何をするつもりなわけ?」


「…現場を抑えないと、言いくるめられるでしょ。」


「現場ねぇ……。
体張るわけ?」


フッと笑うので、ムキになる。


「張る訳ないでしょ!?
ホテルの前で彼女登場であたしの出番は終わり!」


計画を思わず言ってしまって、しまったと思った。



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