大好きだったあいつ


サァ…と血の気が引く。


「……沙弥って聞こえたんだけど。
早く来てって、誰を呼んだの?」


「……え?
何の事?」


「しらばっくれんな!
お前あいつの連れか!?
騙しやがって!
こい!!」


凄い力で腕を引っ張られ、ホテルに連れ込まれそうになる。


「やだっ…やめて!!
待って!」


「あいつに言えないようにしてやる!!」


やばい、本気で危機を感じた。


その時_____…



「女無理矢理ホテル連れ込むなんてやるなぁ、花田。」


聞き覚えのある声が後ろから聞こえて来た。


振り返る一郎の顔が強張る。


「……広瀬さん……」


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