大好きだったあいつ
弱まった手を振りほどき、声の主を見る。
洋平さんは、気だるそうにあたし達を見ていた。
「だから男なめるなって言っただろ。」
あたしを見て言ったので、眉をしかめる。
「…花田、お前彼女いんのに合コンで遊んでんのはダメだろ。
バレるに決まってる。
それに、彼女いないなら誰も文句は言えない。
けど彼女作ったならそれなりに変わらないとダメだろ。」
黙って俯く一郎に近付き、携帯を触って何かを見せた。
「もし、また同じような事するんなら、これ会社のPCに送るよ?」
今撮った、あたしが無理矢理引っ張られてる写真だ。
「やめてください!
分かりました、合コンとかもう出ません…」