大好きだったあいつ


ふぅ…と携帯をしまった洋平をチラリと見て、不貞腐れた顔でぽろっと一郎が呟いた。


「…やっぱりな。
2人出来てんすね。」


「出来てる?」


思わず聞き返すと、少し睨む様に見られた。


「昔の知り合いで再会したんでしょ?」



「だから、それは勘違いだったって言ったろ。
彼女とは、今日がはじめましてなの。」



黙るあたしとは対象的に、嘘をスラスラ並べる洋平。


「じゃあ…何で庇うんですか?」


「庇う?
俺は別にこの子を助けるつもりで声かけたんじゃない。
お前がダサい事してるから上司として正したかっただけ。」







< 62 / 146 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop