大好きだったあいつ
何さりげなくいい上司アピールしてんのよ。
イラっとしていると、一郎くん!!!という怒鳴り声に全員が振り向いた。
沙弥登場!
遅過ぎる!
ギョッとした顔で後退りする一郎。
「沙っ……………」
手を挙げようとした瞬間、その手を洋平さんに掴まれて走り出した。
「えっ、ちょっと……!」
「修羅場は本人らに任せて逃げる!」
えぇ!?
と思いながら振り返ると、沙弥は号泣一郎はあたふたしていた。
大丈夫かな…
洋平に任せてしばらく走り続け、ホテル街を抜けた所で手が離される。