大好きだったあいつ


かぁっと赤くなったあたしの顔を見て、ゆっくり視線を反らす。


「……まぁ、これからなんじゃないの。
21歳らしく爽やかな生き方しろよ。」


「…28歳の人が言うと、現実味あるね。」


フッと笑って洋平が時計を見る。


「…もうこんな時間か。
帰るぞ。」


時計を見ると、11時少し前だった。


「あっ、あたし電車だからあっちから帰る!」


指を指して、一応断ってから歩き出そうと振り向き様で言うと、は?と言われた。


えっ、は?て何?



「だから、帰るぞって言ってんだろ。
早く来いよ。」


????


「え、だからあたしあっちから帰る……」


「ったく、バカなの?
送ってやるっつってんのに。
そんなに電車がいいなら行けよ。
じゃーな。」


え!
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