大好きだったあいつ


住所を聞かないまま車を走り出したので、どこ行くの?と尋ねると、当たり前の様に言った。


「前んとこと同じだろ?」


「前のって…あたし今実家じゃないけど。」


「は?1人暮らし?」


頷くと、なるほどね。と少しほくそ笑んだ。


「……何か?」


「や、そりゃ男連れ込むわな。と思っただけ。」


あたしの言った住所をナビに入力して、グインと方向転換した。


「連れ込むって…!
それは自分でしょ?」


「何でだよ。
俺家に女連れてかねーもん。」


え!


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