大好きだったあいつ
「………何で?」
聞くか迷ったが、結局聞いてしまう。
「だって女って勝手にいろんなもん置いてったり変えたりして自分の存在残してってあざといじゃん。」
あぁ…この人あの頃と変わらず女信用してないんだ。
その後特に会話もなく、家に到着した。
ホッと安心して、ありがとうございました。と素早く車から降りると、またね。とドア越しに言われた。
クルリと振り返る。
「またね?
いいえ、さようなら!」
フンっと踵を返して歩き出すと、窓を開ける音が聞こえた。
「多分またすぐに会うんじゃない?」
「は?
何で会わないといけないの?」
ムッとして振り返ると、楽しそうに窓に腕を乗せて笑って言った。
「だってさっきのあの2人やり直すでしょ。
そしたらまたお互い会う機会が増えると思うし。」