大好きだったあいつ
広瀬 洋平という男
「ごめんなさい!
本当に申し訳ありません!」
目の前で拝むポーズを取りながら深く頭を下げる人物。
昨日散々あたしをピンチに陥れた人物。
同期の沙弥。
「そのごめんなさいは、昨日迷惑かけてごめんね!のごめんなさいの言い方じゃないね?」
「……………。」
「まさかとは思うけど、あの男許した訳じゃないよね?」
「……おっしゃる通りです。」
「ふざけんじゃないわよ!
あんた…バカなの!?
考えらんない!あたしの努力無駄にするわけ!?」
「返す言葉もございません。
申し訳ない…」
しゅん、と小さくなる彼女に、怒りが呆れに変わった。