大好きだったあいつ
「いつものほのかだったら、あんないい男落とそうとするかと思ったけど。」
「………いい男じゃなかったから。」
いい男だったよ!と騒ぐ沙弥を、もういいから。とあしらってランチを終わらせた。
それにしても洋平さんは、どうして2人が戻るって分かったんだろう。
その日浩一の家にあたしは押しかけた。
昨日の話しを浩一に話すと、少し苦い顔をして聞いていた。
「また会うなんて、変な縁だな、お前らは。
洋平は…なんつーか、人を見透かすのが昔からうまかったからな。
ぱっとその彼女の事を見て、何か思ったんじゃないのか?」
「うーん、そうなんだよねぇ。
結構いろいろ話しして分かってたつもりだったのに、まさかやり直すなんて思いもしなかったもん。
負けたよ。」
「洋平ってあの洋平くん?」