大好きだったあいつ


「うわっ」

「お前さ、待ってるとか言って俺より遅いじゃねーか。」

だるそうに鞄を肩にかけ、あたしを見下ろす洋平さんがいた。


「だって!
連絡なかったからダメなのかと思ったもん!」

「わざわざ返す事じゃねーかと思ったんだよ。」

男の人ってそうなの?

「……で?」

え?と目を丸くさせていると、彼も同じ様な顔であたしを見下ろした。

「何か用があって待ち合わせたんじゃないの?」

あ、そう捉えられたんだ。



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