私の夜道さん!



「その瞳…………、やっぱりあなたは琥珀さん、ですか?」


自然と敬語になってしまう。


だって、明らかに私より年上だし、何より眉間に皺が入りすぎて表情が怖いんですってば……!


周りを見渡しても猫の琥珀はどこにもいない。


……つまり、私とキスをしたことによって、琥珀は人間の姿になった───?




と、その時でした。




「ん、これありがとな」



バサッ



「っだーーーーーちょちょちょっと!!!!!///」


腰に巻いていたタオルを返されパニック状態になる私(笑)


「いや!!!いいですから!!!それ巻いたままでいいですから!!!てか巻いてください!!!!」


「あ?もう必要ないだろ?」


「ものすごく必要なアイテムです!!!!」


男物の服なんて持っていないので、タオルで隠すしか他ないのです。


仕方ねえな、とか言いながら再びタオルを巻きつける琥珀(?)さん。



とりあえずふーーっと落ち着いた私は、再度問いました。


「あなたは本当に猫の琥珀なんですか?」


「ああ。…これを見ろ」


そう言って右足を見せる琥珀さん。


「あ!包帯が……」


「お前が手当てしたものだ。すまなかったな。……まあこんな傷はすぐ治るだろ」


「……ほ、ほんとにほんとにあの黒猫さんなんだ」


「まあ、ただの黒猫ではないけどな」


「キスをしたら人間の姿になるんですか?」


「そうだ。俺の中にゃ特殊な細胞があってな…俺と人間の口が触れることによって、その細胞が反応を起こし、人間の姿になる」


「な、なるほど…じゃあ、あなたは猫になる人間じゃなくて、人間になる猫ってことですね??」←


「……ああ、そうだな。……ま、一応俺も昔は普通の猫だったってことだ」


あ、何だろ、琥珀さんの表情が、一瞬だけ……




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