私の夜道さん!
「……あ、琥珀さん」
「なんだ?」
「あの、さっきはどうも…ありがとうございました」
「……ああ、あの人間の男の事か?気にすんな、この傷のお礼だ」
「ほんと、助かりました。いい加減困っていたので」
「お前、もの凄い俺に助け求めてただろ、俺がフツーの猫だったらどうするつもりだったんだ(笑)」
喉を鳴らしながら笑う琥珀さん。
……猫もちゃんと笑うんだあ。
「あ、琥珀さん寝ます??お布団もう1つ用意するんで、ちょっと待ってて下さい」
「ん?ああ、別にかまわねえよ。猫を寝かせるのに布団なんて用意するか?」
「え?」
「久しぶりにこの姿になったからな、少し疲れたわ。俺ァもう猫の姿に戻るぜ」
「自由に元の姿に戻れるんですか?」
「ああ。人間になるには人間とキスしなきゃならないがな。……まあ何だ、久しぶりの人助けも悪くねえなやっぱ」
そう言って琥珀さんは目をつむると、元の黒猫の姿に戻っていった……