スイーツ男子、佐藤くん
「…今日は昼で締めましょうか。」

佐藤先輩が憂げな顔で言った。先輩、どうしたのかな。

「先輩どうかしたんですか?」

「…私達、海に来てるじゃない?でも居る場所はずっと海の家じゃない?」

佐藤先輩は先ほど伊織くんが買ってきたアイスのコーンをぐしゃり、と握りつぶした。

「遊びたいのよ!遊びましょう!若いのに私達は何をしているのよ!」

「ほい、チョコちん!浮き輪や!」

「ビーチボールもあるぞ。」

「…先輩たち、準備良すぎだろ…。」

先輩達はワクワクしながら浮き輪などを膨らませている。

でも、私怪我が染みるし…。お店で待っていようかな。そう言おうとした時、佐藤くんが口を開いた。

「姉さん、僕サチちゃんと一緒にお店の方にいるよ。サチちゃん、足がまだ染みるだろうし…女の子1人も危ないから。」

「あら、いいの?じゃあ、行きましょうか。」

先輩は履いていた靴とビーチサンダルを履き替えながら行った。佐藤くん、本当にいいのかな…。
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