スイーツ男子、佐藤くん
「なー、藤山ー。」

「なあにー、伊織くーん。」

佐藤くんの言っていた通り、本当に夏祭りに行くらしい。旅館の人に着付けてもらった私は、髪を伊織くんにセットしてもらっていた。鏡を前に置いていないから、どうなっているかは分からないけど…伊織くんの腕を信じよう。

そんな中、伊織くんが話しかけてきた。

「けーちゃんと何かあった？」

「ゴホッ、ゴホッ」

飲もうとしていたスポーツドリンクを思わず口から出すところだった。うらめしそうに伊織くんを見ると、伊織くんは両手をあげてストップ、と言った。

「あ、悪意があったわけじゃねえんだって！ただ気になっただけで！」

「な、なかったってわけじゃないんだけど…。」

私は怪我をした日のことを思い出す。
佐藤くんが、あんなこと言うから…！思い出してしまうと、なんだか余計に熱くなった。
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