スイーツ男子、佐藤くん
約束通り放課後に理玖は私の教室へと現れた。理玖は友好関係が広いようで、クラスの子から「おー、理玖じゃーん!」と声をかけられている。
「あ、沙智!準備はOK?」
「うん!あの、誘ってくれてありがとう。その、羽実ちゃんはいいの?」
私は喉元に引っかかっていたことを聞いた。するも理玖は何でもない顔で、「大丈夫」と言った。
「俺たちは確かに双子だけど四六時中一緒ってわけじゃないしね!羽実にも予定はあるから…。あ、別に羽実がいなくて暇だから沙智誘った訳じゃないし!」
「ふふ、分かってるって!」
「っし、じゃあ行こーー!」
理玖は私の手を取って走り出した。
周りの目線が恥ずかしい。
「り、理玖、ちょっと待ってってー!」
「あ、ごめん沙智!」
理玖はやっと下駄箱辺りで止まってくれた。遊びに行くのに行く前から体力使ってどうする気なの?
「あ、羽実ー!」
「…理玖、何処か行くの?」
「沙智と遊びに行ってくる!」
理玖がそう言うと羽実ちゃんはギロリと私を鋭い目で見た。私は蛇に睨まれたカエルみたいに、縮こまってしまった。
「ふうん…別に、羽実には関係ないわ。」
「羽実は?」
「佐藤くんと本屋に行くの。おすすめのレシピ本、教えてもらおうと思って。あら、ちょうど来たみたい。じゃあ羽実、もう行くわ。」
羽実ちゃんは上靴をローファーに履き替えて、出て行ってしまった。入り口には羽実ちゃんを待つ佐藤くんがいた。
いいなぁ、佐藤くんと二人って…。と、私の中に黒い何かが渦巻いた。
佐藤くんは私に気付くと少し複雑そうな顔をして手を振ってくれた。私もそれを控えめに返すと佐藤くんはクスリと笑って羽実ちゃんと歩き出した。
二人の背中を見るのが、なんだかとても辛くて、心臓が痛かった。
「あ、沙智!準備はOK?」
「うん!あの、誘ってくれてありがとう。その、羽実ちゃんはいいの?」
私は喉元に引っかかっていたことを聞いた。するも理玖は何でもない顔で、「大丈夫」と言った。
「俺たちは確かに双子だけど四六時中一緒ってわけじゃないしね!羽実にも予定はあるから…。あ、別に羽実がいなくて暇だから沙智誘った訳じゃないし!」
「ふふ、分かってるって!」
「っし、じゃあ行こーー!」
理玖は私の手を取って走り出した。
周りの目線が恥ずかしい。
「り、理玖、ちょっと待ってってー!」
「あ、ごめん沙智!」
理玖はやっと下駄箱辺りで止まってくれた。遊びに行くのに行く前から体力使ってどうする気なの?
「あ、羽実ー!」
「…理玖、何処か行くの?」
「沙智と遊びに行ってくる!」
理玖がそう言うと羽実ちゃんはギロリと私を鋭い目で見た。私は蛇に睨まれたカエルみたいに、縮こまってしまった。
「ふうん…別に、羽実には関係ないわ。」
「羽実は?」
「佐藤くんと本屋に行くの。おすすめのレシピ本、教えてもらおうと思って。あら、ちょうど来たみたい。じゃあ羽実、もう行くわ。」
羽実ちゃんは上靴をローファーに履き替えて、出て行ってしまった。入り口には羽実ちゃんを待つ佐藤くんがいた。
いいなぁ、佐藤くんと二人って…。と、私の中に黒い何かが渦巻いた。
佐藤くんは私に気付くと少し複雑そうな顔をして手を振ってくれた。私もそれを控えめに返すと佐藤くんはクスリと笑って羽実ちゃんと歩き出した。
二人の背中を見るのが、なんだかとても辛くて、心臓が痛かった。