スイーツ男子、佐藤くん
「佐藤くん!」

バン!!

勢いよく扉を開ける。

返事は無かった。

キョロキョロと中を見渡しても人の影はない。

もしかして、佐藤くんに私は、避けられてるのかな。

目の辺りが熱くなった。突きつけられた事実に心が貫かれたような気持ちだ。

「…さと、う、くん。」

ぽた、ぽた。

透明な水が床に滴り落ちる。
体に力が入らなくなる。へなへな、と私は床に座り込んでしまった。

栗山先輩からのエールも無駄になってしまった。増子先輩や佐藤先輩のお願いも出来なかった。

私は、佐藤くんを傷つけただけだった。
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