スイーツ男子、佐藤くん
昔から父さんはお正月とお盆くらいにしか帰ってこなかった。母さんは父さんに比べればよく帰ってきたけれど…子供ながらに寂しい思いをしていたと思う。
姉さんはそんな家庭で育ったからか、何でもそつなくこなすようになった。

今日も朝食作りかぁ…。

テンションが右肩下がりだ。ため息をつきながら階下に降りると、電気が点いている。姉さん、付けっ放しじゃん…。

ダイニングへの扉を開けるとそこには人影が。どういうこと!?

「お、慶太〜!早いな!さすが私の息子!」
「…なんで父さん帰って来てるの!」
「いやぁ、一昨日すごい美味しい新作が出来てだな?お前らに味見してもらおうと思ってさっき帰って来たんだ!」
「…そう。」
「千代ちゃんはいるか?悪いが起こしてくれ!」
「はいはい。」

全く、どうしてこうもうちの家族は行動が唐突なんだ。本日何回目か分からないため息が思わす出た。
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