スイーツ男子、佐藤くん
「だーいじょうぶ。」

「…え?」

閉まっていたはずの扉から声がしたかと思うといきなり腕を引かれた。ぐ、と腕を引っ張られ、教室の中へと引き込まれる。

勢いで思わず尻餅をついてしまった。

「い、いたた…。」

痛む腰を摩ってみる。やっぱり痛い。それにしても見覚えのない教室。ここ、どこ?

「あ、ごめんね。困ってたみたいだから。」

すっ、と手が差し伸べられる。その腕を辿っていくと…そこにいたのはたれ目の優しそうな雰囲気の男の子だった。
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