スイーツ男子、佐藤くん
蛍がフライパンを器用に扱う様子を横目にノートに書きまくる。あぁもう、こんなんじゃいい点取れないよ!焦りばかりが募って行く。

「…姉ちゃん、後でバスケしに行こ。」

「え?別に良いけど…蛍、どうかしたの?」

「いや、姉ちゃんが疲れてる気がして。あんまり気負いすぎると疲れるだけだよ。」

私は良い弟を持ったのかもしれない。料理もできて気遣いもできる。こんな弟が他にいるだろうか。

いや、いない。

私にとって大切な、大切な弟。

「…それと、いろいろ姉ちゃんに聞かなきゃいけないけともあるしね。」

「へ?」

最後の最後で爆弾を投下された。
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