スイーツ男子、佐藤くん
ついにテスト当日になった。あれから自分なりに結構頑張れたと思う。分からないところは志優先輩にメールで教えてもらったりした。先輩のおかげで頭が良くなった気がする。

先生の合図でテストは始まった。前の私なら目が眩んじゃいそうになるけれどもう大丈夫。私はお気に入りのシャーペンをテスト用紙の上で踊らせた。



二日間あったテストも終わり、今日は昼で授業が終わった。私は伊織くんと渡り廊下で合流し、いつもの場所、調理室へと向かっていた。

「藤山どうだったよ、テスト!」

「結構出来たよ!…まあ、点数も多分おれなり、かな。」

「おお、良かったじゃねーか!俺は結構やれた。特に英語がな!」

あぁ、確かに英語、増子先輩に教えてもらったところだもんね。ルンルンとしながら歩く伊織くんは楽しそう。

「けーちゃーん!テスト終わったー!」

「そして明日が終われば夏休みだね!」

騒がしく調理室の中に入る。佐藤くんが先に来ていたらしく、冷房が掛かっている。す、涼しい…!けれども佐藤くんの姿は何処にもない。佐藤くんに、聞かなきゃいけないこともあるんだけどな…。

「あれ、けーちゃんいねーな。」

「そうだね…。どこ行っちゃったのかな。」

私たち二人はおとなしく彼の帰りを待つことにした。
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