スイーツ男子、佐藤くん
「…な、なあ藤山!あれけーちゃんじゃねーか!?」

「え、どこどこ?」

いきなり伊織くんが立ち上がったと思うと、窓を指差していた。こっそりと下を覗くと、そこにいたのはやっぱり佐藤くん。…と、あれ?女の子?

「もしかして告白ってやつじゃねーの?けーちゃんあぁ見えて結構モテるし。」

「そ、そうなの…?」

「ん?おお、藤山はコースが違うから知らねえよな。けーちゃん顔良し性格良しスイーツ作りの腕前良しの完璧男じゃん?だから必然的にモテるんだって!」

かくいう俺もモテるけど俺は増子先輩ラブだからな!と伊織くんは続けた。
佐藤くんが、告白されてる…?頭が追いつかなくなった。い、いや、当たり前だよね。初対面の私にも優しくしてくれるような人だし。皆が好きになるのも、当たり前、だよね?

ぽつり。

私のスカートに雫が流れた。
私、泣いてるの?

目の前が滲んで見える。
横にいる伊織くんが焦っているのが分かった。

なんだか頭がくらくらする。
私の意識はどんどん遠のいて行った。
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