スイーツ男子、佐藤くん
ぱちり。

私の脳が覚醒した。ここはどこだろう。
上を向いても見えるのは見慣れない天井だけ。私はふかふかのベッドに寝かされていた。

「…どこ、だろ。」

「保健室だ。お前が倒れたと聞いたんでな。」

綺麗なテノールの声。
声のした方を向くとそこにいたのは志優先輩だった。

「あ、あの…どうして先輩が…。」

「たまたま調理室の前を通ったら楠木が慌てていてな。事情を聞いたらお前が倒れたと聞いて、そのまま運んで来た。」

「お、お手数掛けました…。」

私、周りに迷惑掛けすぎちゃったなぁ…。そんなに自分が恥ずかしく思えて、思わずシーツで顔を隠した。
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