スイーツ男子、佐藤くん
佐藤くんに手をサッと差し出され、思わず取ってしまった。あ、意外と手、大きいんだな…なんて、そんな場合じゃない!

「ごめんなさいね、サチちゃん。一人でも働き手が欲しくて。まあ、あちらに着けばすべて分かるわよ。」

「はっはっは。千代ちゃん、なかなか言うではないか!おお、忘れていたぞ。俺は佐藤貴也だ。この度腰を痛めて海の家で働けなくなった阿呆だ。この度はよろしく頼むぞ!」

「私達の従兄弟よ。運転を頼んでいるの。さ、貴也兄さん。お願いするわ。」

「了解!」

勢いよく車が発進して身体がぐらつきそうになった。そんな私を支えたのは、ニコニコと笑っている佐藤くんだった。

「サチちゃん、姉さんがごめんね。」

「あ、ううん。やってみたかったからいいの。まさか、佐藤くんまでいるとは思ってなかったけどね。」

「そうかな。まぁ僕はサチちゃんに会えて嬉しいよ。」

そういうセリフ、さらっと言ってくるの、反則だと思う。
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