スイーツ男子、佐藤くん
キラキラと輝く太陽。焼けるような灼熱の砂浜。どこまでも続く地平線。そう、海につきました。結構遠かった…何せ県と県の境を超えたんだから…。

「よし、とりあえず荷物を運びましょう。志優に連絡は入れてあるわ。」

佐藤先輩が指差したのは、海から少し離れたところにある、大きな旅館だった。見るからに高級老舗っぽい。志優先輩ってまさか、すごい人なんじゃ…。

ワゴンから荷物を降ろそうとすると、後ろから手がにゅ、と伸びてきた。振り向くと私の荷物を左腕に持っている佐藤くん。

「お、重いからいいよ〜。自分で持てるよ!」

「いいのいいの。んー、じゃあサチちゃん、僕の持ってきたちっちゃい鞄、持ってくれる?」

結局私は自分の荷物を持たせてもらえることはなかった。…佐藤くんのこれ、何が入ってるんだろう。
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