虹色コンチェルト
「もしかして、ファンだったりする?それでココ受験したとか」
「……」
「あはは。やっぱりそうなんだー?音羽ってすぐ顔に出るよね」
彼女の言葉にパッと頬を押さえる。
そんなに分かりやすいだろうか、と、
また顔が火照り出す。
「私も音羽と同じかなー。でも専攻はオーボエなんだけど、彼のフルートって凄い魅力があるんだよね」
「うん、凄く…好き」
(綺麗な音色で、目の前に小川が流れているような…。だから、好き)
「あは。ライバル!だね」
軽くウインクする琴子をジッと見つめる音羽。
(ライバル……って、何の?)