虹色コンチェルト
小学生の時、
歌を歌うのが好きだと友達に話したことがあった。
でも、
――「音羽ちゃんが歌?全然想像つかなーい!本当に歌えるの?」――
――「その前に、声出るのかよ。なあ?」――
結局、歌う前から否定されて、
からかわれて、
いつしか自分は歌っちゃいけないんだと思い込むようになった。
歌う事も、好きだと告げることさえ、
しなくなっていった。
でも、
(歌を、嫌いになることなんて…絶対になかった)
音羽は下唇を噛んでから、
ゆっくり口を開いた。