虹色コンチェルト
「そんなに、意外…かなぁ…」
「ん?うん」
「……」
「でもね。だからこそ、聴いてみたいって思うよ。音羽の歌」
「え……?」
「やっぱり聴いてみないと、分からないじゃない?意外性を見つけられるのって、難しいことだと思うしさ」
「琴ちゃん……」
ニコッと笑う琴子の笑顔に、
凄く救われた気持ちになる。
(琴ちゃんは、ちゃんと私の声を…聞いてくれるんだ…)
嬉しくて、幸せで、
つい飛び跳ねたくなった。
もちろん、
そんなことはできないけれど。
――キンコンカンコーン…。
予鈴が鳴った。
「あ。それじゃあまた休み時間にね!」
離れて行く琴子に頷いて、
高校生活最初の授業が始まった。