虹色コンチェルト
少しホッとしつつコクリと頷く。
「こんなに人、沢山いるなんて…思わなくて…。ごめんね?」
「俺はいいよ。それより、お前は平気なのか?」
「うん。でも、凄いね……」
「え、何が?」
ぶつかった瞬間、
硬くてびくともしなくて、
一瞬壁かと思った。
それを告げていいものなのか、
音羽は口を噤んで少し迷う。
(駄目だよね。でも、本当に凄い体つき…中学の時より、逞しくなった、かも……?)
「おーい?音羽?」
「へ…?」
「またお前は……。大丈夫か?」
呼ばれてハッと我に返り、
コクリと頷く。