虹色コンチェルト
「だ、大丈夫っ…」
「ならいいけど。ちゃんと前見て歩けよ?」
そう告げて、
離れて行く錬次を見送る。
ずっと様子を見ていた琴子が、
すかさず問い詰めてきた。
「ちょっと音羽!今の誰よ!?」
「え?…錬ちゃん」
「れんちゃん?」
首を傾げる琴子。
どう説明しようかと、
音羽は視線を巡らせた。
「えっと、幼馴染…なの。鳥羽瀬錬次っていって…」
琴子がふむふむと頷く。
「あの制服って、体育科の1年生?同じ学年とは思えないね。何やってる人なの?」
「……水泳、専攻で」