虹色コンチェルト

 極力声を顰めて話す琴子に、

音羽もつられるように声を顰める。

 といっても、普段から声は小さいのだが。


「…いつも、やってくれるから…、錬ちゃん、慣れたんだって、言ってたの」

「いつもって、毎朝!?」


 また声を上げた琴子が、

自分の口を咄嗟に押さえて続けた。


「本当なの?」

「え、っと……寝坊したときは…そう、かも」

「寝坊って…。それだけ編めるようになるってことは結構な確率で寝坊してるんじゃない?」

「そ、そんなこと……なぃょ…」


 自信の無さにもごもごと尻すぼみになる。


「音羽さ~ん。聞こえませんよー?」


(寝坊、直さなくちゃ…!)

 なんてコッソリ心に決めて、

マイペースに食事を再開した。



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