虹色コンチェルト
「私は……」
「ここのオケ部ってレベル高くて、毎年全国大会まで行ってるらしいの!でね?今年の部長がまたイケメンでさあ…」
うっとりと目を細める琴子。
一方の音羽はパチパチと目を瞬かせる。
「見たこと、あるの…?」
「ある!まあ写真でだけどね。だからさ、見学だけでも行かない?」
「…見学…」
イケメン部長はともかく、
レベルの高いオーケストラというのには凄く惹かれるものがあった。
「ね!行こう?」
「ぅ、うん。――あ」
音羽はあることを思い出して静止した。
(錬ちゃんと帰る約束、してたんだった)