虹色コンチェルト
琴子は行く気満々で
教室の扉の前で待ってくれている。
「あ、そうだ」
(メールしておけば、いいよね)
早速スマートフォンを取り出して、
錬次にメールを送った。
琴子に連れられて辿りついたのは、
音楽棟にあるLesson room1と書かれた部屋。
中からはバラついた楽器の音が聞こえて来ていた。
「多分個人練習中だね。今のうちに入っちゃおう」
音羽は頷き、
琴子の後に付いていく。
「失礼しまーす」
「し、失礼します…」
それぞれ集中しているのか、
音羽達が入ったことに気付く生徒は少ない。