虹色コンチェルト

「あ、1年生だよね!良かったらテニス部に入らない?初心者大歓迎だよー!」

「書道部はどうですかー?」

「バスケ部に是非!!」


 多方向から部活勧誘のチラシが差し出される。


「えっと、ありがとう…ございます…っ」


 あわあわとテンパりながら受け取っているうちに、

持ち切れなくなってしまった。


「おい。何してんだお前は」

「あ……錬ちゃん」

「それ寄こせ」


 腕で抱えていたチラシの束を、

錬次が全て取り上げた。


「まったく。どんくさいお前に運動部は無理だろうが。もらってもゴミになるだけだぞ?」

「錬ちゃん酷い。折角作ってくれたチラシを、ゴミだなんて…」

「そっちに反応するのな、お前」

「…?」


 首を傾げると、錬次からは呆れたような溜息が降って来た。


「まあいい。音羽は部活、入らないんだろ?」

「んー……まだ、分からない。そういう錬ちゃんは?」

「俺は水泳部だな」

「そっか。スイミングスクール辞めて、こっちに専念するんだよね。体育科、だしね?」

「そういうこと」


< 7 / 38 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop