虹色コンチェルト
「あ、1年生だよね!良かったらテニス部に入らない?初心者大歓迎だよー!」
「書道部はどうですかー?」
「バスケ部に是非!!」
多方向から部活勧誘のチラシが差し出される。
「えっと、ありがとう…ございます…っ」
あわあわとテンパりながら受け取っているうちに、
持ち切れなくなってしまった。
「おい。何してんだお前は」
「あ……錬ちゃん」
「それ寄こせ」
腕で抱えていたチラシの束を、
錬次が全て取り上げた。
「まったく。どんくさいお前に運動部は無理だろうが。もらってもゴミになるだけだぞ?」
「錬ちゃん酷い。折角作ってくれたチラシを、ゴミだなんて…」
「そっちに反応するのな、お前」
「…?」
首を傾げると、錬次からは呆れたような溜息が降って来た。
「まあいい。音羽は部活、入らないんだろ?」
「んー……まだ、分からない。そういう錬ちゃんは?」
「俺は水泳部だな」
「そっか。スイミングスクール辞めて、こっちに専念するんだよね。体育科、だしね?」
「そういうこと」